【ANN55周年連載Vol.7】『ナイナイANN』矢部浩之×小西氏×三浦D鼎談 “ゲストからパーソナリティー”になった2年半を振り返る

ニッポン放送『ナインティナインのオールナイトニッポン』インタビュー(左から)三浦憲高氏、矢部浩之、岡村隆史、小西マサテル氏(撮影/近藤誠司) (C)ORICON NewS inc.
 1967年10月2日の深夜1時。「君が踊り僕が歌うとき、新しい時代の夜が生まれる。太陽のかわりに音楽を、青空のかわりに夢を。フレッシュな夜をリードするオールナイトニッポン!」という糸居五郎の第一声で、ニッポン放送“深夜ラジオの代名詞”『オールナイトニッポン(ANN)』が幕開けした。現在にいたるまで、才能豊かな数々のパーソナリティーを見出し、リスナーに寄り添い、常に時代の最先端を見つめ、話題や文化を発信してきた『ANN』が、この4月から55周年YEARを迎えた。

【写真】ラジオブースの前で…2ショットで撮影に臨むナインティナイン

 ORICON NEWSでは、毎月1組のパーソナリティーにスポットを当てて『ANN』の今を紹介する連載企画をスタート。第7弾の4回目は、『ナインティナインのANN』(毎週木曜深1:00)より、矢部浩之、放送作家の小西マサテル氏、ディレクターの三浦憲高氏との鼎談を届ける。

■約6年ぶりにラジオに復帰するも、2年半で「やっと慣れてきた」 あの日の思いも吐露

 1994年4月に始まった『ナインティナインのANN』(開始当時は月曜2部)から、矢部が卒業したのが2014年9月。それを引き継ぎ翌月から岡村が単独でパーソナリティーを務める『岡村隆史のANN』となったが、矢部が駆けつけ岡村への“説教”とともに番組に復活したのが、2020年5月。約6年の時を経てラジオに戻ってきたが、それから2年半が経った現在の心境を聞くと「やっと(深夜ラジオに)慣れてきました。やっぱキツイっす、ラジオを辞めてる間は、木曜のこの時間は絶対に寝てたから。生活のリズムがなかなかつかめなくて、戻ってすぐは正直『しんどいな…』って。もちろん年齢もあるでしょうけど」と本音を明かしてくれた。

【小西】復帰して最初の頃は、無精ヒゲをはやして、雪駄で来てましたよ。

【矢部】雪駄では来てないかな(笑)。ヒゲは、ラジオだけの時はそのままでした。その日の仕事が深夜ラジオだけの日って、けっこうあって、日中の使い方難しいです。ホンマはもう夕方から飲みたいし(笑)、そんな生活5~6年してたから。今は金曜に寝不足で、土曜で戻して、また木曜で崩れる(笑)。

【小西】矢部くん、それは慣れてない(笑)。

【矢部】昔は『めちゃイケ』がもちろんあったし、もっとバラエティー番組もイケイケやったから、朝まで収録とかそんな生活が当たり前やったんです。常に時差ボケというか、でもそれが平気な体やったんですね、慣れていて。で、時代も変わり、『めちゃイケ』なんかも終わり、自分も子供ができて、生活がまっとうになったっていうのがデカいと思いますけど。

【小西】そんな生活がラジオで崩される……申し訳ない!

【矢部】そうなんです、もっと謝ってください(笑)。

 ラジオのインタビューになると「困る部分があって。必ず俺の復帰の経緯を踏まえての話になるから」と矢部は語る。「みんな一瞬、あの時の岡村さんのことが頭によぎってしまうのでね。それを聞きたくない人もいるでしょうし、申し訳ないと思うんです。でもそこを踏まえないと話しにくいし……」。

【矢部】でも、リスナーには僕のこの発言を普通に聞いてほしいんですよ、腫れ物みたいなことじゃなくて。いろいろ歴史があって、そんなこともしてきたコンビですよって僕は思うんですけど、難しいとこもあるんやろうし。そんななかで、よう毎週ラジオやってるなって(笑)。この前、オリエンタルラジオの藤森(慎吾)がゲストに来て、相方のあっちゃん(中田敦彦)との“マジゲンカ”(※)の音源が流れましたけど、俺の説教音源もこうやってイジられてもいいんですよ。でも岡村さんの考えはたぶん違うんやろうし、いろんな人を巻き込んでしまってたので、あれをネタ音源として笑うのは難しいのかな、とか考えたりします。
「公開説教の時、どういう心境で行ったのか」ですか?うーん、ナインティナインの矢部浩之として…という感じではなくて、サッカー部の後輩として駆けつけたというのが一番かな。2時間の生放送をどうすんねんって思って、行ったんですよね。
【※オリラジのマジゲンカ:2007年8月24日放送の『オリエンタルラジオのANNR』本番中の中田と藤森の本気のケンカ。10月20日放送の『ナイナイANN』でフル音源がオンエアされ、大いに盛り上がった】

■復帰した矢部と三浦Dの距離を近づけた出来事「その頃から歯車が合い始めた気がします」

――さきほど「やっと慣れてきた」とおっしゃいましたが、やはりラジオは楽しいですか?

【矢部】うーん、これが難しくて、1回辞めてるじゃないですか。ずっと楽しかったら辞めてないんですよね。だから、矢部のラジオのインタビューってすごく難しいんです(笑)。

――今さらですが、辞めると決めた時は、ラジオが楽しめないという気持ちがあった?

【矢部】そうです。そう感じて、やってたら変わるかなと思って、そこから数年続けたけど、変わらなかった。

【小西】それは我々スタッフの責任ですよ。それを気づくことができなかった。

【矢部】それで、復帰して最初はちょっとゲストみたいな感じでした。小西さんはフリートークコーナーで岡村ゾーンと矢部ゾーンを作ってくれたんですけど、それに違和感があって、しっくり来なかったんですよ。それを徐々に時間をかけて辞めて、メールを読んだり岡村さんの話にツッコんだり自由に喋らせてもらってたら、前の感じに戻っていきました。最近は、たぶん昔に聞いてた人が今のラジオを聞いても「一緒だ」って思うでしょうけど、復帰当初はちょっと無理してたかな。

 『岡村隆史のANN』の3代目ディレクターで、矢部が復帰した『ナインティナインのANN』でも継続してディレクターを務める三浦氏は、当初は矢部との距離を感じていたが、ある時期をきっかけに距離が近づいていったという。

【三浦】自分は矢部さんが復帰されることになってから初めてお会いしたので、最初はお互いわからないもの同士っていう距離感が若干あったとは思うのですが、岡村さんが結婚した頃(2020年10月)から、自分も矢部さんに向かってちょっとお話ちゃんとできるようになってきたかな、歯車が合い始めたかなという気がしています。

【矢部】自分がずっとラジオ続けて、三浦氏が途中からディレクターとして入ってきたら、最初からイジってますよ(笑)。

【小西】三浦氏なんて、矢部くんの大好物ですよね(笑)。

【矢部】めちゃめちゃ相性いいと思うよ。でも、復帰さしてもらった身やから、こんな滑稽(こっけい)な人でも、最初は自分からは行けないっすよ(笑)。

【小西】矢部くんが「三浦氏」って呼ぶのもツボなんです(笑)。フィットしてるんですよ。

――「やべっちと三浦氏、フィット」ですね(笑)。

【三浦】でも、小西さんなど長くやっているスタッフさんは地続きになっているんですけど、自分とかADとかミキサーは、岡村さん単独時代のメンバーなので、矢部さんにとっても別のチームに入ってきた感じはあったと思います。

【矢部】最初は超アウェイって感じでした。もちろん、小西さんとか(構成作家の川島)カヨちゃんとか、ずっとやってる人もいたけど、空白期間もあるし、やっぱり自分から1回辞めてるのがデカいと思うんです。

■『歌謡祭』の一番の喜びは、自分の歌より「ナイナイが並んだ姿をリスナーに間近で見せられたこと」

 矢部が復帰した『ANN』で、以前との一番大きな違いは『歌謡祭』というイベントだろう。岡村の単独時代の2015年にスタートし、年に1度の“バカになれ!”な祭りとして、横浜アリーナを舞台に毎年秋に開催され、今や番組の風物詩となっている。コロナ禍を超えて開催された2021年の『歌謡祭』から、ラジオ同様にナイナイ2人体制となった。

――カラオケが大好きな矢部さんにとって、横浜アリーナという大きな会場で歌えることは喜びだったのでは?

【矢部】もちろんそうですけど、歌謡祭はプロの歌手の方々の力を借りないと豪華なもんはできないですし、プロの方たちに申し訳ないという気持ちはあります。自分はカラオケやから(笑)。でも、去年初めて出演して、“戻ってきた”みたいなオープニングの演出で、リスナーの喜んでくれるリアクションを身近で見れたのが1番良かったです。自分どうこうより、ナインティナインが並んでる姿を喜んでくれてるなと。

【三浦】だからこそ、本当に来年こそは声が出せる環境で味わってもらいたいですよね。よりリスナーを近く感じるはずですし。みんな「やべっち、おかえり!」て言いたかったところを、声をだすのを我慢して、手拍子やペンライトを振ってくれて。

【小西】あと、来年は土曜日にやりたいです。日曜日だと矢部くんがDAZNの番組があるから、終わった直後に飛び出しなのでね。

――岡村さんは大きな舞台で歌えることが「気持ちいい!」と全力で楽しんでいますが、矢部さんにはその感覚は?

【矢部】もちろん気持ちいいですけど、俺の役割や性格もあるし、本番中に“我を忘れる”ってことがなくて、どんだけ笑顔で喜んでても冷静です。

【三浦】進行しなきゃいけないところもありますしね。

【小西】でも、矢部くんが歌うゾーンのアイデアは矢部くん自身がいろいろプレゼンしてくれました。

【矢部】今回は自分が「こんなんやりたいな」って思ったことをそのままやらせていただきました。原口あきまさを呼んで、原口がニセモノなのに本物みたいに登場して(笑)。ただ、歌手という意識はないですよ。去年に『FNS歌謡祭』に石崎ひゅーいくんと出たときは、ちょっとだけ「歌手だな」って思いましたけど(笑)。

【三浦】、矢部さんが帰ってきたからこそ、エンディングの「HOWEVER」の(出演者のみなさんによる歌の)リレーなので、もう歌謡祭で外せないものになってます。

【小西】ニッポン放送のあるパーソナリティーの方が配信で見てくださって「僕らの世代のエンディングは『あの素晴しい愛をもう一度』だけど、ナインティナイン世代は『HOWEVER』なんだね」って(笑)。

【三浦】『めざましテレビ』で歌謡祭のVTRが紹介されましたが、それも「HOWEVER」のシーンで、なんでなんだって思ったけど(笑)、矢部さんが帰ってこなかったらできない演出ですから。

――ちなみに、岡村さんのインタビューでは「歌謡祭の進行を相方がやってくれるから、歌に完全に集中できる」とおっしゃっていましたが…。

【矢部】去年初めて2人でやったけど、「ようこれまで1人でやってきたな」って(笑)。成立してたの?舞台下の画面に「岡村」ってセリフ指示が出てもなんにも読めへんし、イヤモニで三浦氏から「次に行きましょう」って指示されても全然行かへんし。

【三浦】しかも、イヤモニに指示出せるようになったのも、去年からですから。それまではステージの近くにADに立ってもらって、大きい動きで伝えてました(笑)。

【矢部】最近はコンビのテレビ収録でも、岡村さんは「見えない」っていう理由で、スタッフが出したカンペとか読まないんですよね(笑)。「相方がやってくれるやろう」なんでしょうね。それだったらスタッフに「俺は自由にやるのが好きだから、カンペ読めへん」って言えばいいのに、打ち合わせでは「ハイ、ハイ」ってうなずいて、本番で言わないっていう(笑)。

【三浦】“岡村さんあるある”ですけど「飛ぶ」っていうのもありますよね。頭に入れてるんですけど、その場に来ると忘れちゃうという。今回の歌謡祭も岡村さんのセリフを矢部さんに多々言ってもらいました。

【矢部】(フジテレビの特番)『ラフ&ミュージック』のときも、フロアの子がかわいそうやったな。「これを言って」って指示されてるのになんにも言わへんし、顔を見たら、ようわからんふわっとした表情で、なんやこれって怖なってきて(苦笑)。

■三浦氏の失恋が発覚…! 今後の目標は「番組で『三浦氏結婚スペシャル』をやりたい」

 誰もが予想しなかった展開で復帰し、2年半を過ごす中でゲストからパーソナリティーに戻っていった矢部。そんな彼が、これから番組でやってみたいこととは?

【矢部】最近ちょっと、三浦氏の噂を聞いてね。彼女がいるとは聞いてたんですけども、どうやらお別れになったみたいで…。

【小西】そのショックで、20キロぐらい痩せたんですよね…。

【三浦】いや、むしろ太ったんですけど。

――これはオリコンのスクープですね(笑)。

【三浦】…はい、歌謡祭の直前ぐらいにお別れをする感じでした…。

【矢部】こんなに頑張ってくれてるじゃないですか。『岡村隆史のANN』から『ナインティナインのANN』になって、けっこう大変やったと思うんですよ。こんな頑張ってくれてる、こんなに滑稽で面白いディレクターが幸せになる日を、絶対にお祝いしたいなと。だから、プライベートで「おめでとう」じゃなくて、番組で「三浦氏結婚スペシャル」をやりたいので、なんとかしたいですね。

――次は三浦氏を神輿(みこし)に乗せたいと! 矢部さんが具体的に誰かを紹介するのでしょうか?

【矢部】うーん…(笑)、三浦氏に合うような女性って考えたら、自分の周りのタイプはすごく遠いやろなと。それって三浦氏を傷つけしまうだけかもしれないです。紹介はできますけど、違うところからの紹介が絶対いいんです。タレントが連れてくる女性なんて、絶対に僕は三浦氏には勧めないです。

――どんな女性が合ってると思いますか?

【矢部】三浦氏のタイプは小さい“かわいい系”なんですよ。aikoのファンだし、キレイなシュッとした人よりは小柄な人がいいのかな。いま何歳でしたっけ?

【三浦】36歳です。岡村さんが50歳で結婚したので、まだ時間はあるかなと(笑)。

【矢部】岡村隆史が独身男性の「奇跡の地球」になってたからね(笑)。

◆矢部浩之(やべ・ひろゆき)1971年10月23日生まれ。大阪府出身。1990年4月に高校のサッカー部の先輩・岡村隆史とナインティナインを結成。1992年「ABCお笑い新人グランプリ」、93年「上方お笑い大賞」受賞、俳優として96年「第39回ブルーリボン新人賞」を受賞。94年4月からスタートした『ナイナイANN』は、歴代最長となる放送開始28年を迎えた。番組開始20年半となる2014年9月に矢部が番組を卒業、岡村が1人で『ANN』を担当していたが、20年5月に矢部が電撃復帰を果たし『ナイナイANN』として再始動した。
公開:2022-12-01 18:00
更新:2022-12-01 18:00
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