北海道・天売島の離島留学をドラマ化 “ラストヒロイン”中山来未が初主演

北海道発地域ドラマ『春の翼』(5月20日、北海道ブロックの総合テレビで放送)主演の中山来未、共演の宮本信子 (C)NHK
 昨年放送されたNHK北海道の大型特番『北海道スタジアム』で開催した「俳優オーディション」から選出された、北海道在住・もしくは出身で、未来のスターを目指す“原石”たちが出演する北海道発地域ドラマ『春の翼』が、きょう20日(後7:30~※総合・北海道ブロックのみ)に放送される。

【写真】会見に出席した中山来未、宮本信子や場面カット

 オーディションを経て、主人公・吉川翼役を演じる中山来未は、北海道札幌市出身。2015年に東海テレビのオーディションリアリティー番組『ザ・ラストヒロイン〜ワルキューレの審判〜』にてグランプリを受賞。歌手・俳優として活動してきたが、今回、初めて主演を務める。

 今月11日にNHK札幌放送局で行った会見で中山は、「上京して7年くらい経ちましたが、上京する前は北海道で活動していました。その時にお世話になった方、家族・友人に恩返しできるかな、と。合格して北海道で作品に参加して、お世話になった人に見てもらって、頑張ってるなと思ってもらいたいと思ってオーディションに参加しました。合格してからは、翼という役に向きあって、どれくらい視聴者の皆さんに翼の人生を届けられるかを目標に頑張りました」と、初主演作への思いを語っていた。

 本作の舞台は、北海道の北部にある小さな離島・天売島(てうりとう)。人口270人、数百万羽もの海鳥の棲む場所として有名で、“海鳥の楽園”と呼ばれている。この島には、北海道の離島で唯一の「夜間定時制」高校、天売高校がある。生徒たちは、昼間は島の人たちと一緒に働き、夜は学校で勉強。この高校の特徴は、生徒を「全国から募集」しているところ。現在、全校生徒16人全員が島外からの生徒だ。彼らの多くは、離島留学という形で親元を離れ、寮で寝食をともにしている。

 中山が演じる翼は、家族や友達との関係に悩み、単身、天売島に移り住む高校生。昼間はデイサービスで働き、夜は学校。はじめは、島民や同級生との距離感にとまどい、苦しむが、島で60年暮らすおばあさん・ハル(宮本信子)と出会い、やがて、人との絆を結ぶうえで大切なものが何なのか、気付き、成長していく。

 「家庭環境に悩んで家庭に居場所がなくなって、友達とも接することができず、気付いたらひとりよがり、自分の殻にこもっているというストーリーですので、どのシーンもいろんな人が同じ悩みを抱えているのではないかと想像しながら演じていました」と、中山。

 俳優の大先輩であり、小樽市出身の宮本との共演もかけがえのないものになったようで、「お会いしてとても自然体の方だと思いました。ハルさんでいる時も、宮本さんでいる時も、どちらも包み込んでくれる感じで、体調大丈夫? 寝れてる?といつも気にかけてくださいました。朝ごはん食べた?と、おにぎりをくれたこともありました。一緒にお芝居をさせていただいて、こういう目の使い方があるのか、せりふを言う強弱などを学ばせてもらいました。これからもっと役者として大きくなりたいと思っています」と、話していた。

 制作統括の堀口航平チーフ・プロデューサーは、自然番組『ダーウィンが来た!』の取材で天売島へ通ったディレクターから、「天売には海鳥以外にも面白い高校生がいる」と聞き、そこで初めて離島留学のことを知ったという。「天売高校の生徒は全国から集まってきて、働きながら学ぶ。早朝から働いて、全日制の高校よりハードだけど、その分ドラマもある。高校生も自分を見つめ直し、一回りも二回りも大きくなるんです。島の人たちにもメリットがある。高校が島の灯で、過疎が進む中、3年間だけど10代の若い力がいるだけでパワーをもらう。毎年、高校生が来る4月になるのをみなさん心待ちにしている。この話を多くの人に知ってもらいたくてドラマを作りました」と、北海道での地域ドラマ制作は7年ぶりとなった同ドラマ誕生の経緯を説明。

 その『ダーウィンが来た!』の天売島の回を、撮影前に「3回見たんですよ。(海鳥の)ウトウがかわいくて」と明かしていたのが、ハル役の宮本。「なんとまあめんこいとか、太鼓のリズムとか、自分が島に関わっていく喜びがちらっと出たりしました」と、演じる上で大いに役立ったそう。「離島留学してきた高校生が3年で成長して巣立って飛び立つ、そんな小さな喜びをこのドラマで感じました」と見どころを語っている。

 翼役の中山、翼の同級生・美香を演じる桜井木穂、ほか高校生役の山科連太郎、富樫涼太、安宅波颯ら5人が「俳優オーディション」で選ばれたキャスト。ハルが通う介護施設の施設長・田島役で佐藤仁美、医師の若泉役で北海道演劇財団・理事長である斎藤歩が出演する。

 同ドラマは、北海道ブロックでの地上波放送終了後、NHKプラスで2週間見逃し配信予定。NHKプラスでは、全国から見ることができる。
公開:2022-05-20 08:30
更新:2022-05-20 10:42
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