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山形市は介護の人手不足解消に向け、働き方改革などで職場の魅力を向上する「『介護の現場』魅力・活力くるりんプロジェクト」を推進している。本年度にモデルケースとして実践に取り組んだ市内事業所が24日、業務効率化によるケア充実などの成果を報告した。
同プロジェクトは、職場環境の改善を通して生産性や働きがい向上を図り、人材定着・確保に向けた好循環を生み出すことを目指す。本年度は小規模特別養護老人ホーム大曽根(同市)が、介護現場革新のノウハウを持つTRAPE(トラピ)(大阪市)の協力で、業務の見直しに取り組んだ。
この日は伊藤秀一施設長ら3人が市役所で成果発表した。同施設では業務負担軽減で生まれた時間を使い利用者との関わりを増やすことを目的に定めた。スタッフアンケートを行い、一部シフトへの負担の偏りや多忙によりケアがおろそかになっているといった課題を把握。一日のスケジュール表を作成して業務内容を明確化し、大きな負担となっていた朝食後の排せつケアの時間変更や、夕食の準備を調理場専属職員に任せるなどの見直しをした。
スタッフからは「レクリエーションなどの交流の時間が増えた」「利用者のわずかな変化に気付くための余裕ができた」などの感想が出た。伊藤施設長は「一人一人への目的意識の浸透や、業務負担を把握するため、職員同士の対話が最も重要と感じた」と話した。
発表に先立ちトラピの鎌田大啓社長が講演し、業務改善にはプロジェクトチーム立ち上げや課題の洗い出し、目標設定などの準備が大切と強調した。「経営者が関わりを持ち、小さな課題から解決するのが成功の鍵。行き詰まった時は外部の力を借りるなど、リーダーを支える体制も整えてほしい」と呼びかけた。
2023年度もモデル事業所での実践やセミナー開催に取り組むほか、人手不足が深刻化する他業界への波及も目指していく。