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県内ニュース

暫定水域イカ漁、「船間距離」日韓にずれ 来月、双方の漁業者協議

2023/03/28 08:28
日本と韓国のイカ釣り船同士の距離イメージ図

 日韓双方の漁船が操業できる日本海の暫定水域で、両国のイカ釣り船同士が確保する距離に対する認識のずれが問題になっている。日本は安全確保のため船同士の間隔を3.5マイル(約6.5キロ)以上離して漁をするが、韓国船はその間隔内に入り込むことが相次ぎ、双方の漁具が絡み損傷する恐れが懸念されている。来月、韓国でイカ釣り漁業者同士の協議が開催されるが、本県関係者は「安全操業に向け双方が距離に対する認識を確かめたい」と話している。

 暫定水域は、本県から約300キロ離れた日本海の好漁場・大和堆(たい)を含んでいる。日本の船団はイカの群れを最初に見つけて漁場に停泊し、操業態勢に入った船を「権利船」と定め、後から来た船は権利船を起点としてそれぞれ船間を3.5マイル以上保持して操業することをルール化している。

 一方、韓国船は、日本の船団の間に入って操業するという。全国中型いか釣漁撈長(ぎょろうちょう)連絡協議会長で第86若潮丸(199トン)の漁労長・本間健さん(66)=酒田市=などによると、大和堆周辺の水域で昨年7月27日午前5時ごろ、若潮丸が、韓国の船7隻に囲まれ、船間距離が2マイルにも満たない状況になった。翌28日の午後2時ごろには、若潮丸が韓国の船6隻に囲まれ、船間が1マイル未満となった船もあったという。

 本間さんは当時近くの水域でパトロール中だった海上保安庁と水産庁の船に状況を伝えた。「多くの船に囲まれたら逃げ場がなくなる」と指摘する。言葉の違いから、韓国船団との意思疎通は困難なのが実情だ。

 韓国側には昨年10月に石川県で開かれた日韓民間いか釣り漁業協議の席で日本側は日本船団のルールなどを説明した。来月開かれる協議で日本側は、韓国側が適用している船同士の距離を詳しく聞く意向だ。

 本間さんは「韓国側がどういう漁業の手法をしているか分からず、彼らの考えもじっくり聞いてみたい。互いに仲良くすることが大事で、友好的に協議したい」と語った。

酒田の本間さん「韓国漁場が変化か」

 韓国のイカ釣り船は、日本の船に比べて小さく、漁場を頻繁に変える傾向があるという。本間さんは「10年ほど前までは、韓国の船が沖合にまで来ることはなかった」と語る。さらに「沿岸域で釣れなくなったなど、韓国側の漁場が変化している可能性もあるのではないか」と推測する。

 一方、イカの習性から、集魚灯で照らす明るい部分と、暗い部分の明暗差を大きくすることが釣果に影響するという。日本の船団よりも密集する韓国船の場合は、明るい部分が集中する形になるため、効率の低下が懸念される。本県関係者は、韓国の手法を尊重しながらも、指摘事項ははっきりと示し、船と船の間隔に対する共通認識を持ちたいとしている。

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