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県内ニュース

努力と献身、仲間鼓舞 アランマーレ、女子2部初優勝

2023/03/27 08:30
優勝を決め、仲間に胴上げされる木村友里主将=静岡県袋井市・さわやかアリーナ

 バレーボールVリーグ女子2部で26日、本県のプレステージ・インターナショナルアランマーレがリーグ初制覇を成し遂げた。「うれしさよりも、ほっとしたという気持ちが強い」と木村友里主将は語った。努力を積み重ね、チームを引っ張り、最後の1点を自分で決めた。両腕を突き上げた表情に充実感がにじんだ。

 苦しい場面で鼓舞する力強い声が仲間を勇気づけてきた。今季は強力なリーダーシップを見せたが根は人見知り。「社会人になってだいぶ話せるようになったと思うけど、会見や取材はまだ慣れないですね」。前に出る性格ではないという背番号3にとって、今季の主将就任は、結果を求める強い思いの表れだった。

 東京都出身で2018年に日体大から加入し、在籍5季目。チームの着実なレベルアップを肌で感じてきたからこそ、あと一歩のところで1部下位との入れ替え戦進出を逃した、昨季の結末が悔しかった。2季連続の3位に終わりチャンスを失った苦い思い。「次こそ1部に昇格する。この気持ちは誰にも負けない」。決意は、チームの先頭に立つ自覚につながった。

 アタッカーとしては小柄な169センチだが、プレーの安定感が光る。攻守の要としてコート上で存在感を放つ一方、右アキレス腱の断裂で戦線を離脱したこともあった。長いリハビリ生活中は焦りを感じる時もあったというが、「一日一日、やるべきことをやるだけ」と前だけを向き続けた。

 体格的なハンディや大けがなど、壁にぶち当たるたびに努力で乗り越えてきた。その姿を「まさにうちのチームらしさを体現している」と、創部時から指揮を執る北原勉監督は評する。今季主将の打診は「適任者は彼女しかいない」と迷いはなかった。

 本人は「コート上でほかの選手が思いっきり躍動できる雰囲気をつくることも私の役割」と、プレーと積極的な声がけで仲間の背中を押す。頼もしいチームリーダーにセッターの石盛めるも選手は「努力を惜しまない姿を知るからこそ、ついて行きたいし、力になりたいと思う存在」と慕う。

 リーグ優勝に続いて、次はいよいよ大きな目標、1部昇格を懸けた戦いだ。木村主将は「自分たちはチャレンジャー。思い切ってぶつかっていくだけ」。実現に向けて、気負いはない。

「歓喜の時」見届けた ファンや関係者、熱い声援

 試合会場に駆け付けたアランマーレのファンや関係者は、必死にボールに食らい付く選手を熱い声援で鼓舞した。初優勝が決まると喜びに沸き、ハリセンや手拍子に合わせ「アランマーレ」コールを響かせた。

 歓喜の瞬間を見届け「最高の気分」と声を弾ませたのは仙台市の会社役員佐浦正幸さん(48)。「全員がハードワークし、このチームは本当に勝負強い」と感嘆し、「この勢いで1部昇格も決めてほしい」と期待した。

 選手の家族も優勝に笑みがこぼれた。前田美紅選手の父憲文さん(48)は「本人は楽しんでプレーしていたようだった」と、コート上で躍動するまな娘の雄姿に感無量の様子。「次も楽しむことを忘れずに戦えば結果はついてくる」と昇格を懸けた次戦を見据えた。草島華穂選手の父和幸さん(57)は「気持ちが前面に出ていた試合」と評価し、「入れ替え戦では今以上の力を出してチャンスをものにしてほしい」と願った。

「V1へ昇格期待」

 吉村美栄子知事は「創部から8年、攻守にわたりチームの力が成熟し、優勝を勝ち取ったことは見事であり、県民の誇りだ。この勢いでV1リーグへの昇格を期待している」とのコメントを出した。

アランマーレ

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スタンドから声援を送るアランマーレのファンや関係者スタンドから声援を送るアランマーレのファンや関係者
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