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身長185センチ、前線からの絶え間ない守備、試合最終盤の決勝弾、スタンドに向けた「ありがとさま」。誰だか分かりますか。木山隆之(たかし)監督時代の瀬沼優司選手(現J2栃木)です。特に2017年シーズン、リーグ戦で後半ロスタイムの勝ち越しゴールを3回もマークしました。在籍期間は約1年半と決して長くありませんでしたが強烈な印象を残しました。
取材した中では6月のアウェー横浜C戦が思い浮かびます。カウンターからの左クロスを右足で蹴り込み、雄たけびを上げながら駆け出す姿に夢中でシャッターを切りました。大多数の相手サポーターが静まり返り、山形側スタンドが青く揺れる雰囲気は、痛快そのものでした。
終盤の大仕事を可能にしたのは豊富な運動量。高校時代に監督から「下手くそ」と言われて発起し、走り込んだそうです。木山監督は「最後までピッチに立っていてほしい選手」と頼りにし、本人もよく「走れなくなったら引退」と笑っていました。
ピッチを出れば温厚で気さくな人柄で、サポーターを山形弁で盛り上げ、取材に「面白い山形弁を教えてください」と切り返してきたことも。長く山形にいてほしいと感じたのは記者だけではないでしょう。
J2は群雄割拠。長丁場で浮き沈みもあります。粘り強く戦い抜くには、彼のように「無駄走り」をいとわず、巡ってくるわずかな好機をものにする存在が欠かせません。今季の「持ってる男」は誰か-。台頭に期待しましょう。(五十嵐聡)