バレーボールVリーグ女子2部の今季リーグ戦が29日に幕を開ける。本県のプレステージ・インターナショナルアランマーレは酒田市国体記念体育館で29日に千葉、30日に仙台と対戦。チームは2季続けてリーグ3位で、1部下位との入れ替え戦進出を目前に涙をのんできた。トップリーグ昇格へ―。悔しさを糧に、攻撃力に磨きを掛けたチームの勝負のシーズンが始まる。
前後連動、多彩な展開に磨き
女子2部は今季から三重が参入。11チームによるリーグ戦は2回戦総当たりで来年3月5日まで行われる。上位3チームによるファイナルステージを勝ち抜いた2チームが4月の入れ替え戦に挑む。
8季目の指揮を執る北原勉監督は「超攻撃型」を標ぼうした昨季の戦いぶりに手応えをつかみつつ、「それでも攻撃力は1、2位より劣っていた」と指摘。今季はより決定力に焦点を当てた「超々攻撃型」を掲げ、前衛と後衛が連動した多彩な攻撃展開に磨きを掛けてきた。1部チームとも練習試合を重ね、「直近では相手に勝ち越せるまでにチームコンセプトが成熟してきた」と感触はいいようだ。
今季のアランマーレは16選手が在籍。アタッカー陣は伸びしろ十分なオケケアル・メソマチ・ウゴチンイェレやプレーに幅のある宮本菜月ら攻撃力のある選手が残留したのは心強い。攻撃の軸となるミドルブロッカー伊藤摩耶をはじめ、主力に安定感があり、悲願達成に向けたチームの意識は高い。
中でも指揮官が期待を寄せるのが2年目の前田美紅だ。上背はないものの、機敏で切れのあるスパイクが魅力のアタッカー。サマーリーグではフレッシュスター賞を受賞するなど、コート上で存在感を示し、「昨季はプレーするだけで精いっぱいだったが、今は周囲が見えて自分らしさが出せている」と成長を実感。北原監督は「どんどん勝負してほしい」とさらなる飛躍を楽しみにしている。
選手たちにとって、入れ替え戦進出を逃した昨季の悔しさがモチベーションになっている。戦術がより攻撃的になり、これまでにない運動量が求められる中、徹底したウエートトレーニングや走り込みに取り組んできた。主将の木村友里は「蔵王合宿など新チームの始動から自分たちを追い込み、ハードワークに耐えられる体をつくってきた」と自負する。5季にわたって攻守にチームを支える背番号3は「強みの全員バレーで優勝と昇格を果たす。それだけのチームになった」と意欲は十分だ。
アランマーレのホーム戦は計8試合。29、30日以降は12月3、4日に天童市の県総合運動公園総合体育館、来年1月14、15日に鶴岡市小真木原総合体育館、同2月11、12日に酒田市国体記念体育館での開催が予定されている。
【今季のメンバー】
※左から背番号(カッコ数字は主将)、ポジション、名前、年齢、身長
1 アウトサイドヒッター オケケアル・メソマチ・ウゴチンイェレ(20) 183センチ
2 アウトサイドヒッター 前田美紅(24) 169.4センチ
(3) アウトサイドヒッター 木村友里(27) 169センチ
4 ミドルブロッカー 菅原里奈(25) 174センチ
6 アウトサイドヒッター 宮本菜月(26) 177センチ
7 ミドルブロッカー 伊藤摩耶(25) 174センチ
8 セッター 田村愛美(29) 167センチ
9 アウトサイドヒッター 草島華穂(25) 164センチ
10 ミドルブロッカー 柳沢紫子(27) 169センチ
12 セッター 石盛めるも(24) 165.5センチ
14 リベロ 長尾のどか(24) 163センチ
16 アウトサイドヒッター 角田南見(18) 172センチ=新加入
17 アウトサイドヒッター 有村涼美(23) 172センチ=新加入
18 ミドルブロッカー 佐藤菜々美(19) 177センチ=新加入
19 リベロ 有薗未也美(22) 156センチ=新加入
20 アウトサイドヒッター 小野山博子(23) 175センチ