鶴岡市出身の作家・故藤沢周平さんの作品「証拠人」「又蔵の火」に登場する場所を歩いて回る文学散歩が2日、同市中心部で行われた。参加者が物語の世界に思いを巡らせながら約3キロのコースを散策した。
午前と午後の2部制で計22人が参加。庄内藩の史実をもとに書いた2作品ゆかりの鶴ケ岡城跡の鶴岡公園や総穏寺など18カ所を回った。
同市若葉町にある武家屋敷「土屋家」では、ガイドが「ここは中級武士の屋敷で、現在の建物は約160年前に建てられた」「『又蔵の火』の主人公の土屋虎松の実家はこの武家屋敷の西側に隣接していた」などと説明。参加者はメモを取るなどして熱心に耳を傾けていた。市内から夫婦で参加した星川伸子さん(81)は「作品を通じて地元の歴史を勉強できて楽しい」と笑顔で話していた。
同市立藤沢周平記念館が酒井家庄内入部400年記念企画展の関連イベントとして開催した。