県内ニュース

マイナンバーカード取得、低迷38位 交付税配分の国方針に自治体から戸惑い

2022/07/19 12:53
県内市町村は関連窓口業務の強化、独自のキャンペーンを展開するなどしてマイナンバーカードの取得率向上に努めている=山形市役所

 全国的にマイナンバーカードの普及が滞る中、本県の取得率は6月末時点で41.3%と全国38位に沈む。県内の各市町村は窓口の休日対応などを行って普及に努めるものの、「そもそも必要なのか」という住民の疑問は根強いようだ。状況を改善する狙いから、国は取得率に応じて地方交付税の配分額を決定する方針を示すが、効果は見えにくい上に市町村からは「乱暴なやり方なのではないか」と戸惑いが広がる。

 今月中旬、山形市役所の庁舎1階にあるマイナンバーカードの関連窓口は多くの市民で混雑していた。背景にあるのは、カードの普及策「マイナポイント第2弾」の全面開始だ。カードの受け取りとポイントの申請に訪れた市内の80代の夫婦は「ポイントを使って、お盆に帰省する孫にプレゼントを買おうと思った」と声を弾ませた。

 ただ、カード利用にメリットを感じるものの、現行の制度を十分には理解できていないという。どのような用途までカバーできるかは分からないとし、「取得するのも市のお手伝いがなければできなかった」と打ち明けた。

 県内市町村で最も取得率が高いのは飯豊町の54.6%。小国町49.4%、酒田市47.2%と続く。飯豊町では新型コロナウイルスワクチンの大規模接種会場、先の参院選の期日前投票所などに臨時窓口を設置し、町民が気軽に手続きできるような環境整備に力を入れている。担当者は「地道な声掛けをしてきた。多くの町民の皆さんに理解をいただいている」と話す。

 出張申請受け付け、休日の窓口対応などに取り組む市町村は多く、県内13市で最も取得率が高い酒田市は、取得者に奨励金を贈る独自のキャンペーンを展開している。また山形市は、市内の郵便局と連携して申請支援を行う新たな事業をスタートさせる予定だ。

 各市町村でさまざまな取り組みを進めている中、地方交付税を巡る国の方針には全国的に反発や困惑の声が上がる。取得率に応じて交付税の配分額を決めるとする国側の理由は「取得率の高い自治体はデジタル化に伴う経費が多くなり、支援が必要になる」だが、これに対し「国と地方は対等とした地方分権に反する圧力」との見方もある。

 県内のある市の担当者は、「住民にカードの必要性を伝えても『持ってなくても困らない』という声が多い」と指摘する。「便利さをより実感できないと普及率は上がらない。マイナポイント事業の終了後が不安だ」と続けた。

 また別の市の担当者は、「デジタルが不得手な高齢者がそもそも必要とするのかという話もある。各自治体の年齢構成なども異なる中、交付税の算定基準にしようという考えは少し乱暴な印象だ」と強調。カードの用途を一層拡充するなど、国側の施策展開も重要だとの認識を示した。

記事・写真などの無断転載を禁じます

県内ニュースランキング >>もっと見る

↑pageTop

ログイン

ここから先の閲覧については有料会員登録が必要です。すでに会員の方はこのままログインしてください。

※登録をしていない方はログイン後に有料会員登録用ページに遷移します

※格安スマホを利用しているなど、キャリアのIDをお持ちでない方は「クレジット会員」をお選びください

※会員専用ページは「Cookie(クッキー)」を利用します。お使いの端末のブラウザー設定で「Cookie(クッキー)」を有効にしてください

モバイルやましん