寒河江市は20日、市特産のサクランボの収穫時期に市職員が副業として農作業に従事できる取り組みを始めることを明らかにした。サクランボは収穫や出荷での人手不足が大きな課題。市職員が勤務時間外を活用して農作業に当たり、労力として役立つことで市内生産者を支援する狙い。
市農林課によると、職員が副業としてサクランボ収穫などを行うのは県内市町村では珍しいという。市が職員にアンケート調査をしたところ、「やってみたい」「条件が合えばやってみたい」との回答が47.4%に上った。現状理解なども目的に、6月1日~7月15日を期間とし呼び掛けることにした。
従事できるのは、担当部門と家業でサクランボ生産を行う職員以外。希望者は農業アルバイト募集アプリやJAの情報などで求人情報を得て、市長などの任命権者に申請を行い許可を得て就労する。就労先は市内生産者の園地で、1カ月30時間、週8時間まで。
同市は大学生や企業にボランティアを募るほか、一定日数以上従事した人に5千円相当の特産品を贈る「さくらんボーナス」事業などで人手確保を進めてきたが、十分ではなかった。市が前向きな姿勢を示すことで、同様の取り組みが市内事業所に波及することも狙っている。同課では「市職員が一緒に汗をかいて、特産のサクランボを持続的に守るために役立ちたい」と話している。