第66回県縦断駅伝競走大会(山形新聞、山形放送、山形陸上競技協会など主催)は27日の号砲まであと1週間に迫った。前回大会の雪辱や病からの復活、仲間への感謝、競技者としての飛躍…。出場11チームの精鋭たちはさまざまな思いを胸に刻んで開幕を待つ。各チームの注目選手を紹介する。
【鶴岡・田川】加藤夢羽空
父と同じ舞台で走るのが夢だった。鶴岡・田川の加藤夢羽空(14)=豊浦中3年=はチーム最年長のベテラン善宏(47)=山形県自動車販売店リサイクルセンター=と親子でメンバー入りを果たした。「そろって区間を任され、チームに貢献できる走りをしたい」と力を込める。
幼い頃から父や姉とランニングするのが日課だった。小学2年時からサッカーを始め、現在は地元のモンテディオ山形ジュニアユース庄内に所属。父の薦めもあって昨年から県縦断駅伝に向けた練習も重ねていた。先月の選考会で3000メートルを10分5秒でゴールし、念願だったメンバーに選ばれた。
「一緒のチームで走りたい」との父の思いにも触れてきた。本人は「ずっと言われてきたので、選ばれてうれしかった」と笑みを浮かべる。「調子を万全にし、上位でたすきをつなぐ積極的な走りをしたい」。親子で臨むレースに胸を高鳴らせている。
【上山】戸田夏輝
初出場だった前回大会で、15区を区間3位で好走した上山の戸田夏輝(17)=県立上山高等養護学校3年。「いいタイムだったと思うけど、さらに速くなった自分を見せたい」。淡々とした口調の中に熱い闘志をみなぎらせる。
山形一中時代は主力として2年連続で全国中学校駅伝に出場。昨年の県障がい者スポーツ大会では陸上知的障がい少年男子の800メートルと1500メートルを大会新で制するなど、実力は折り紙付きだ。
帰宅後に山形市内の自宅周辺を10キロ程度走り込むほか、昨秋から筋力トレーニングも取り入れ、スピードアップを図ってきた。「自分のペースをつくれることが強みで、記録も伸びてきている」と斎藤勲監督の期待も大きい。
将来の目標を「パラリンピックでの活躍」と語るホープは先月末に5000メートルで自己ベストを更新し「調子は悪くない。去年の自分を超える」と手応えは十分。周囲の期待と自信を胸に2度目の春の出羽路を駆ける。