厄よけとして願い事をしたためた紙雛を川に流す伝統行事「雛流し」が4日、西川町間沢の寒河江川で行われた。参加者が新型コロナウイルス禍の収束を願い、約2千体の紙雛を木船やささ舟に載せて流れに託した。
雛流しは、雛まつりの源流とされ、地元の料亭玉貴(阿部誠社長)が雛研究家安部英子さん(86)=山形市小白川町4丁目=とともに1997年から毎年行っている。新型コロナの影響で3年連続で規模を縮小し、近隣の子どもら9人が参加した。
願い事が書かれた紙雛は2月から来店者などから募った。この日は子どもたちが「みんなが元気になりますように」などと紙雛に書き、息を吹きかけてから長さ約90センチの木船に載せて流した。手を振りながら紙雛を見送っていた中山町長崎小5年浦山華奈(はな)さん(10)は「コロナのない世界になってほしい。健康に過ごせますように」と話していた。