ライトアップされた花卉(かき)栽培用ハウスの中で、ジャズの生演奏とフラワーアレンジメントを鑑賞する「フラワーコンサートin theビニールハウス」が5日夜、庄内町前田野目のハウス内で開かれた。町特産の花卉をPRしようと町観光協会が初めて企画。来場者が五感で花を味わった。
生花店「Lotus Garden(ロータス・ガーデン)」(酒田市)の畠山秀樹主宰がアレンジを、ジャズサックス奏者松本健一さん(鶴岡市)とジャズバス奏者若松美佐さん(同)が演奏した。町内産のダリアとストックを中心に、チューリップ、ツバキ、カーネーションといった花をそろえた。
普段は花の生育のために付けている、淡いピンク色の照明で会場が照らされる中、ジャズ演奏に合わせて畠山主宰が次々に花を生けた。曲が進むごとに、作品は春が訪れたようにあでやかになり、来場者約30人は夢中で見入っていた。畠山主宰は「庄内町の花はいいものが多い。生産者さんが一生懸命作ったものを生けていると知ってもらえればうれしい」と解説した。
ハウスは収穫と次の生産の合間を活用。ハウスでストックとトルコギキョウを生産している高橋聡さん(59)は「ハウスと音楽、アレンジを組み合わせる発想がなかったので驚いた。プロの方にアレンジしてもらい花のきれいさが際立った」と感動した様子だった。
町内産のエディブルフラワー(食用花)がのったティラミスなどがお土産として用意され、参加者は五感で花を楽しんでいた。畠山主宰がアレンジした作品は、町新産業創造館クラッセ内で数日間展示される。