米沢市の山形大米沢キャンパスに今年4月、建築・デザイン学科の学生が新たに加わるのを前に、活動拠点となる教育研究棟に置賜産木材で置賜の原風景を表現したモニュメントがお目見えした。「建築を学ぶ学生に置賜の豊かな森林資源に興味を持ってほしい」との思いを込め、地元の業者が協力して制作した。
同学科は2017年度に地域教育文化学部から工学部に再編され、米沢キャンパス内の態勢が整うまで山形市の小白川キャンパスで学んでいた。8号館の改修を機に、学生、院生約110人が米沢キャンパスに移る。モニュメントは「山の格子」「川の格子」の二つで、ともに縦2.7メートル、横3メートル、奥行き0.8メートル。置賜産木材による家造りを進める置賜「地材地住」ネットワーク(小関勝助会長)と同大が設置した。
ネットワークに参加する置賜の事業者が、材料の調達、設計、制作を担当した。スギ、クリ、ブナ、クルミなど広葉樹を中心に地元の木材を利用。木の特色を生かした格子状のデザインで、吾妻、飯豊、朝日などの山々、田畑、最上川舟運の繁栄を表現している。質感や硬度を確認するなど、教材として活用でき、学生の作品を展示することもできる。
設計を担当した加藤建築設計事務所(長井市)の加藤俊昭代表は「山あり谷ありの人生とその先にある喜び、歓迎の意味などを込めてデザインした。建築を学ぶ学生に置賜の山に興味を持ってもらい、活性化につなげてほしい」と話している。